レーシック手術の話

2011年3月5日。念願だったレーシック手術をしてきた。 稀に失敗することもあるのでしばらく様子を見ていたけれど、そろそろ大丈夫だろう。 もうすぐ1年経とうといういま、まったく問題なく見えているし、快調・快適だ。 素晴らしい技術だと思う。

施術後はコンタクト関連のCMを見るたび、時代遅れを感じずにはいられない。 「着け心地」アピールのむなしさったらないね。

しかし良いことばかり言ってもこれから手術を受けようという方になんの参考にもならない。 敢えてレーシック手術で味わった恐怖について書こうと思う。

コースの選択

まず恐ろしい手術コースの選択。 レーシック手術が受けられるかどうかの検査を終えると、その日検査を受けた人が2,3人個室に集められて、比較表を見ながらコースの説明を受ける。

「こちらが8万円のコース。少し旧型の機械で専門の技士が手術します。術中、少し痛みもあります。」 「こちらが16万円のコース。比較的新しい機械で眼科医が手術します。」 「こちらが28万円のコース。厚労省推薦・世界最高最新の機械で経験豊富な眼科医が手術します。それぞれの眼球にあったオーダーメイドの治療で見え方も違ってきます。」

いろいろツッコミたいとは思うけれど、はいこれ28万円で即答。 考える余地なし。選択の余地も一切なし。

一緒に説明を受けたほかの二人が16万のコースを選択したので、まだ手術前の近眼で二度見したよね。「この子らマジか」って。どう考えても前の二つはカマセで、あってないもののごたるコースだ。ここでカマセを選んでまで手術したい?ねえ。

レーシック手術を受けるなら、まず十分なお金を用意しましょう。

麻酔タイム

さて、手術前には当然目に麻酔をかけます。

薄暗い部屋に案内されてゆったり座り心地のいい安楽椅子に座ると、あの二人がどういう椅子に座ったのかが気になった。もうそういうことだし、絶対に。

気配なく耳元に立った看護士が、まるで催眠術でもかけるような優しく静かな声で手術の流れを説明してくれた。ざっくりポイントを上げると「手術は5分程度で終わること」「途中、想像以上に大きな音がするけど、ビックリしないこと」「角膜を切る機械とレーザー照射の機械が別室であること」「角膜を切った状態で手術室を歩いて移動すること」「手術直後は角膜が自然に貼り付くまでじっとすること」。

優しすぎる看護士の声がホラー的な怖さを醸し出し、ものすごくドキドキしてくる。

そして麻酔が目薬。

あんまり目によくないということで、少し挿して「感じますか?」と聞かれる。 「感じます」と言っても、おかわりなし。

いや、感じますから! なんで聞いたのー?!と思っているうちに、手術室に移動させられる。

手術

ここまでの怖さなんてオカマが怖がるレベルで、本当に怖いのはやっぱり手術だ。

最初に角膜を円形に切る。 レーザー照射のために、上だけ残して角膜をペロンペロンの状態にするわけ。

ビックリしないで欲しいと言われた例の大きな音が聞こえてくると、すぐに片目が吸い上げられた。アタッチメントを取り外した掃除機の給気口を柔らかいところに押あてたときの感じに似ている。目玉の一部がぷっくりと山を作り、固定され、ゆっくり切られていく。痛くはないが、相当こわい。どこが切られているのかがハッキリと分かるから。

両目がペロンペロンになると、水中にいるかのように視界がはっきりしなくなり、看護士に手を取られて手術室を歩いて移動する。

ボクの執刀は院長だったので、次の手術室では院長が待っていて、手術台にボクの頭部と肩をガッチリ固定する。丁寧に何度もポジションを確かめて、微調整。位置が定まると、まぶたもカッチリ固定して、ペロンペロンの角膜をベロリーンとされる。「あ!」と言いそうになるくらい見えない。明るいのにこんなに見えないのは生まれてはじめて。絶対取れちゃいけないところが取れた気がして、全身から汗が吹き出た。

むきたての目にジュッジュッとレーザーが何度も照射され、焼かれていく。ここまでくると、レーザー照射自体はあんまり怖くなかった。角膜をピンセットで戻されると、ものすごく見える。見えそうなのがもう分かる。テンションがあがり、「まるでコンタクトしてるみたいです」と元も子もない感想を院長に言った。一番言っちゃいけない感想だけど。

術後のケア

手術後は安楽椅子で20分ほど角膜がくっつくのを待って、サングラスをして家に帰る。術後不安定な角膜で、目にゴミが入って切ったところがズレたり、感染症を起こすと手術し直しだ。あまり目を開けてはいけない。なるべく半目でゆっくり歩いた。

家に帰ったら、基本的には目をつむって過ごす。目はつむっていないといけないが、寝てもいけない。1時間置きに消毒の目薬を3種類点眼するから。ボクの場合は夕方終わったので、夜中の12時まで1時間置きに点眼。これがなかなかの地獄。しかし失敗するのもイヤだし、寝なかった。

松本人志の放送室をひたすら聞いて過ごした。

まとめ

レーシック手術はものすごく怖い。いろんな意味で怖い。 ただ、24時間よく見える目の代償と思えば、屁でもない半日のようにも思う。

トータルすると、手術して本当によかった。色まで鮮やかになると説明を受けたが、本当だ。コンタクトとの違いは世界の美しさだね。外で葉っぱの綺麗さにビックリして、恐怖の甲斐はあったと確信できた。

重ねて1週間後、あの大地震が起きた。会社で帰れなくなったが、コンタクトの心配をせずに済んだ。メガネなんて普段持ち歩いてなかったし。実際、1週間おくれて手術してたらと思うと、足ガクガクするけどねw